那谷寺
太古の海底噴火の跡といわれる「奇岩遊仙境」
住所 | 石川県小松市那谷町ユ122 | ||
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電話 | 0761-65-2111 | ||
FAX番号 | 0761-65-1626 | ||
メール アドレス |
info@natadera.com | ||
営業時間 |
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URL | http://www.natadera.com |
大師が開き、法皇が絶賛した、白山信仰の寺。
那谷寺の現住職・木崎馨山さんによると「なた」という言葉は、アイヌ語で「水を統治する」という意味があるそうだ。そして水と関わり深い白山信仰の寺が那谷寺である。よく言われるのは「西国三十三ヵ所の第一番である那智山と、三十三番の谷汲山から一字ずつ取り、花山法皇が名付けた」という由来であるが、実はもっと根本的な意味で、「那谷」という名が使われたのかもしれない。
那谷寺の始まりは奈良時代の養老元年(717年)だといわれている。白山を開いた泰澄大師が、霊夢に現れた千手観音の姿を彫って岩窟内に安置。以後「岩屋寺」と呼ばれて、白山を信仰する人たちで栄えたという。
そして、平安時代の寛和2年(986年)に花山法皇が行幸。法皇は「私が求めている観音霊場三十三ヵ所はすべてこの山にある」と言って、「那谷寺」と改名したと伝えられている。
その後、兵乱によって荒れ果てていたものを、江戸時代初期の寛永17年(1640年)に、加賀藩三代藩主・前田利常が再建。藩のお抱え大工で名工とうたわれた山上善右衛門の手による本殿や拝殿、唐門、三重塔、護摩堂、鐘楼、書院の7棟が、国の重要文化財に指定されている。
また、庫裡庭園及び奇岩遊仙境を含む境内一帯の2箇所が国指定名勝となっている。2017年には開創1300年をむかえた。
自然の中で、魂の再生を体験。
この地方には多くの白山信仰の神社があるが、白山信仰のお寺は珍しい。もともと神仏習合であった白山信仰だが、明治の廃仏毀釈によってほとんどの寺が失われた。しかし那谷寺はその信仰の大きさ故か、前田家などの後ろ盾があったためか、そのまま残されたのである。
木崎住職は「奇岩遊仙境を目にしたときに感じる、原日本人的な感覚…、私たちの心の奥に在る大自然への信仰心が、この寺を存続させたといえるかもしれません」とおっしゃる。確かに「奇岩遊仙境」を見たり、本殿の「胎内くぐり」を体験したりすると、心が洗われるような感動を覚える。
奇岩遊仙境のそそり立つ岩に絶妙な穴が穿たれた風景は、原初の日本の風景であり、古代から連綿と感動の記憶が刻み込まれてきたのである。
江戸時代には松尾芭蕉が立ち寄り「石山の石より白し秋の風」と詠んだ。この句は様々に解釈されているが、白山につながる「白」を詠み込んでいるのが意味深い。
本殿は白山の方を向いている。暗い堂内を一周すれば、母の胎内をくぐり抜けたことになるという。つまり、一度死んで、生まれ変わるのである。自分の罪と穢れを洗い清めるために洞窟に入って祈り、表に出ることによって生まれ変わった、というわけだ。この「魂の再生」は、白山信仰の核となるものなので、ぜひ那谷寺で生まれ変わってお帰りを。
ここでパワースポットを2ヶ所紹介。1つは「那谷寺の庚申(こうしん)さん」。縁結びの神様として信仰されており、粟津温泉に残る「おっしょべ物語」の主人公・お末と竹松が恋の成就のお礼に参詣したともいわれている。芭蕉句碑の隣にあるので、合わせて参拝するのがおすすめ。
もう1つは、「本殿下にある不動明王の湧き水」。古来涸れることがなく、念珠や指輪など身につけるものにかけるとパワーアップするといわれている。
広い境内を巡る、そのこと自体に意味がある。住職の説く「自然智 (じねんち) 」の意味も、自然にわかるかもしれない。
拝観料
大人(中学生以上) 600円
小学生 300円
※幼児は無料
特別拝観(重文書院、庭園)
一般拝観料+200円
※小学生以下は無料
本尊・十一面千手観音を安置する「金堂華王殿」
白山麓の旧家を移築した「普門閣」。中には宝物館も。
普門閣の中では那谷寺ゆかりの土産物も販売。
岩窟内の「胎内くぐり」ができる本殿
樹齢数百年の杉などが立ち並ぶ参道。
那谷寺には、縁結びの神様もいらっしゃる。
国の重要文化財「三重塔」
どこかにいるよ「木組の猿」
芭蕉句碑の隣に「庚申さま」が。
アクセスマップ
- 駐車場
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300台